花粉症の症状を抑えたい！「目のかゆみ」を軽減する方法

花粉症のメカニズム

花粉症は、アレルギーの一種であり、免疫システムが誤ってスギやヒノキなどの花粉といった異物を異常な刺激と認識し、本来は無害なものに過剰に反応することで引き起こされます。

免疫システムは、通常、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する働きがありますが、花粉症では、体内に入ってきた花粉を異物と誤認識して、異常な免疫反応を起こします。

具体的には、体内の特定の免疫細胞である「好酸球」という細胞が、花粉に対して過剰な反応を示します。好酸球は、花粉に含まれるアレルゲンという物質に反応し、ヒスタミンやロイコトリエン、サイトカインなどの炎症物質を放出します。これにより、鼻や目の粘膜が腫れて炎症を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などの症状が現れると考えられています。

花粉症のメカニズムは以下のようになります。

花粉（アレルゲン）に初めて触れた時、リンパ球という白血球の一種がIgE抗体という特殊な抗体を作ります。IgE抗体は花粉に対する記憶を持ちます。
IgE抗体は肥満細胞という細胞に結合します。肥満細胞は鼻や目などの粘膜や皮膚に多く存在します。
再び花粉（アレルゲン）が侵入すると、IgE抗体がそれを認識して結合します。すると肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出されます。
ヒスタミンやロイコトリエンなどの物質は鼻や目などの粘膜を刺激して、鼻水やくしゃみ、目のかゆみや充血などの症状を引き起こします。

つまり花粉症は人間の免疫の過剰反応で、過剰反応による炎症が様々な症状を引き起こすのです。

花粉症の症状の1つである目のかゆみについて対処法を詳しく解説します。

目のかゆみを激減させる方法

眼が痒くなった時には、無理にかいてしまうとそこから雑菌が入ってものもらいになってしまう可能性もあるため、正しい対処法を知っておくことが重要です。

これから、目のかゆみを激減させられる方法を5つ紹介します。

目を洗う
目を洗うことで、目の周りの花粉を落とすことができます。市販の目薬や洗眼液を使って洗うことができますが、清潔な水を使って目を洗うこともできます。ただし、水道水に含まれる菌や異物が目に入る可能性があるため、滅菌した液体を用いることをおすすめします。
冷水で洗浄することで目を冷やし炎症を和らげる効果も期待できます。
目薬を使用する
目薬を使用することで、目のかゆみを和らげることができます。市販の目薬には、抗ヒスタミン成分、アレルギー緩和成分、炎症を抑える成分が含まれています。これらの成分には、花粉症の症状を和らげる効果があります。例えば、クロミオン点眼液、アレグラ点眼液、サンテFX点眼液などがあります。ただし、市販の目薬を使用する場合は、用法・用量を守ることが重要です。
花粉用メガネなどを使用する
花粉症対策グッズとして花粉症対策眼鏡が販売されています。これは根本的な解決にはなりませんが、目に花粉が触れるのを低減するためのものです。ただの保護ゴーグルのようなものから、度付きのスタイリッシュなものまでさまざま発売されているので、目のかゆみがひどい方は検討してみるとよいでしょう。
アイマスクを使用する
アイマスクを使用することで、目のかゆみを和らげることができます。アイマスクは、目の周りを覆うように装着することができます。アイマスクには、クールタイプやホットタイプがあります。クールタイプの場合、冷却剤を内蔵しているため、目の周りを冷やすことができます。ホットタイプの場合、温熱効果で目の周りを温めることができます。例えば、ユニ・チャームのアイマスク、コンタクト用アイマスクなどがあります。
環境を改善する
花粉症の症状を軽減するためには、環境を改善することが大切です。家の中で花粉の飛散を防ぐために、窓を閉め切ったり、花粉用のマスクを着用したりすることが有効です。また、室内で空気清浄機を使用することもおすすめです。外出時には、花粉症用のマスクを着用し、帰宅後はすぐに衣服を着替えるなどして、花粉を身体から遠ざけるようにしましょう。

以上が、目のかゆみを軽減するための代表的な対処法です。ただし、花粉症の症状が重い場合には、医師の診断を受けることが必要です。医師から処方された薬を正しく使用し、適切な対処を行うようにしましょう。