今話題の森林セラピーとは?効果・魅力・科学的根拠をわかりやすく解説!【おすすめスポットも紹介】

用語紹介

現代のストレス社会において、心身のリフレッシュ方法として「森林セラピー」が注目を集めています。自然の中で過ごすことで得られる癒しの効果は、多くの研究で科学的に証明されています。本記事では、森林セラピーの概要、具体的な効果、実践方法、そしておすすめの体験スポットについて詳しく解説します。


1. 森林セラピーとは

森林セラピーは、森林環境を活用して心身の健康増進を図る自然療法です。
日本で生まれた「森林浴」の概念を基に、医学的・科学的な研究を通じて効果が証明され、体系化されました。
森林の香りや音、景観など五感を刺激することで、ストレス軽減免疫力向上などの健康効果が得られるといったように、森林で過ごすことを医療やリハビリの一環として活用します。

森林浴:林野庁長官、秋山氏は1982年、最初に“森林浴”を提唱し、森林療法の概念を確立した。“森林の中には殺菌力を持つ独特の方向が存在し、森の中にいることが健康な体をつくる”とする、この構想の下につくられた林野庁のオリジナルの概念であった。

森林浴の歴史について 小林巧


2. 森林セラピーの科学的効果

2.1 ストレスホルモンの低減

森林環境は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制するという研究結果があります。
森林の中の音や気温、雰囲気など複合的な効果により心拍数や血圧が低下し、リラックス状態を促進します。

また、森林内には、フィトンチッドという主に樹木から発散される揮発性の物質が検出されます。フィトンチッドとは、リモネンやα-ピネンなどのテルペン類、チモールなどのフェノール類、酢酸リナリルなどのエステル類といった成分の総称です。これらの成分により、リラックス効果を増幅させるなどさまざまな効果が見込まれます。

2.2 免疫機能の向上

森林セラピーにより、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性が高まることが報告されています。NK細胞は体内のウイルスやがん細胞を攻撃する役割を持ち、免疫力の向上につながります。

2.3 自律神経のバランス改善

森林の中で過ごすことで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。副交感神経は、リラックスする時に優位になる自律神経です。これにより、睡眠の質の向上や消化機能の改善が期待できます。

2.4 精神的な安定と幸福感の増加

自然環境は、セロトニンやドーパミンなどの脳内物質の分泌を促し、気分の安定や幸福感を高めます。


3. 森林セラピーの魅力

3.1 四季折々の自然を堪能

日本の森林は四季によって様々な表情を見せます。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色など、一年を通じて異なる美しさを楽しめます

3.2 五感を刺激する体験

森林の香り(フィトンチッド)、小鳥のさえずり、木々のざわめき、木漏れ日など、都市での生活で鈍ってしまった五感をフルに使って自然を感じることができます。

3.3 日常からの解放

都市の喧騒から離れ、静かな自然の中で過ごすことで、日常のストレスや悩みから解放され、リフレッシュできます。


4. 森林セラピーの実践方法

4.1 ゆっくりと歩く

森林内をゆっくりと散策することで、周囲の自然に意識を向けられます。深呼吸をしながら、自分のペースで歩きましょう。

4.2 座って瞑想する

お気に入りの場所を見つけて、しばらく座ってみましょう。目を閉じて、自然の音や香りに集中することで、瞑想効果が得られます。

4.3 森林ヨガやストレッチ

森林の中での軽い運動は、リラクゼーション効果を高めます。ヨガやストレッチを取り入れてみましょう。

4.4 森林セラピストのガイドツアーに参加

専門のセラピストが案内するツアーに参加することで、より深い体験が可能です。正しい方法や知識を得られるメリットがあります。


5.1 長野県「信州伊那谷」

長野県南部に位置する信州伊那谷は、アルプスに囲まれた美しい自然が広がるエリアです。清流や滝、豊かな森林があり、森林セラピーの名所として知られています。初心者向けから深く行いたい人まで、さまざまな人を受け入れてくれます。

信州伊那谷:森林セラピー

5.2 兵庫県:宍粟市「しそう森林セラピー」

兵庫の奥播磨と呼ばれる宍粟市には美しく深い森が広がっており、森林セラピーを行える場所は全部で3種類あり、季節や希望に応じたコースがあります。

しそう森林セラピー


6. 注意点とマナー

森林で歩くとはいっても山は山であり、トラブルを未然に防ぐためにもある程度の備えはしておきましょう。ツアーセットが充実している森林セラピープログラムもあるので、まずは慣れるまでそのようなプログラムに参加するのもおすすめです。

6.1 適切な服装と装備

  • 服装:動きやすく、汗をかいても快適なものを選びましょう。季節に応じて防寒具や雨具も必要です。
  • :滑りにくいトレッキングシューズがおすすめです。
  • 持ち物:水分補給のための飲み物、タオル、帽子、日焼け止めなど。

6.2 安全対策

  • 事前の情報収集:天候やコース情報を確認しましょう。
  • 単独行動の回避:可能であれば複数人で行動し、万が一のトラブルに備えます。
  • 野生動物への注意:クマやイノシシなどの生息地では、鈴やホイッスルを持参すると安心です。

6.3 環境への配慮

  • ゴミの持ち帰り:自然環境を守るため、ゴミは必ず持ち帰りましょう。
  • 動植物の保護:植物を摘んだり、動物を驚かせたりしないように注意しましょう。

7. まとめ

森林セラピーは、科学的にも効果が証明された心身の健康法です。自然の中で過ごすことで、ストレス軽減や免疫力向上など多くのメリットが得られます。ぜひ、この機会に森林セラピーを体験して、自然の癒しを実感してみてください。


8. 参考文献

  • 李卿, 宮崎良文 (2008). 森林浴によるヒトNK細胞活性の増強効果とその持続性. 日本衛生学雑誌, 63(5), 661-667.
  • 小林 功,近藤照彦,武田淳史(2013).森林浴の歴史 群馬パース大学紀要第15号別刷


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最後までお読みいただきありがとうございました。


※この記事は、最新の情報に基づいて執筆していますが、実際に森林セラピーを行う際は、現地の状況やガイドラインを確認してください。

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